満月の夜にライトアップされて神秘的に浮かび上がるエルコーレ(ヘラクレス)神殿の列柱。

コンコルディア神殿の前、紀元前5世紀半ばに建設されたジュノーネ・ラチニア(ヘラ)神殿。

ゼウス神殿の敷地内に横たわるテラモーネの巨人像の複製。原型は考古学博物館にある。

Agrigento
アグリジェント
潮風吹く神殿の谷を歩けば
悠久の時の残像が蘇る
シチリア島は地中海に浮かぶ最も大きな島、サルデーニャについで2番目の島で日本の九州よりやや小さい。長靴の形をしたイタリア半島の爪先と、メッシーナ海峡を挟んでいる。シチリアの南にはアフリカ大陸があり、海上が晴れ渡れば水平線の彼方に霞んで見えるほどの近さだ。また、東側にはギリシアがある。そのギリシアがシチリア島に、そしてイタリア半島に与えた影響は多大である。アグリジェントは紀元前689年に南東へ50獅ホかり離れたジェーラの植民地とロードス島から渡ってきたギリシア人によって建設された。「万物は土、水、火、風の4つの元素からなる」という哲学を唱えたエンペドクレスもこの時代のアグリジェント人であった。彼は生まれ変わることを信じてエトナ火山に身を投げて死んだといわれている。この時代に植民地は目覚ましい発展を遂げ、100年後には地中海を我がもの顔に支配していたカルタゴをも凌ぐ力を持った。海岸沿いの丘は神殿の谷と呼ばれ、稜線には正面を東側つまりギリシアの方向に向けたコンコルディア神殿、ジュノーネ・ラチニア神殿、エルコーレ神殿など神殿群の遺跡がある。

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