航空券の選び方
「レガシーかLCCか」で選ぶのは間違い!?
航空券にはおもに4種類「正規航空券(ノーマル航空券)」「ペックス(PEX)航空券」「格安航空券」「LCC正規航空券」があります。(「航空券(エアチケット)の違いをご存知ですか?」参照) その中から航空券をどう選べばいいのでしょうか?
そして、それらはどこでどうやって買うのか.その購入方法について触れてみましょう。
価格重視の購入方法
価格の安さを条件に航空券を探す場合(この条件を第一にする人がほとんどかと思います)、「格安航空券」「LCC正規航空券」を検討する人はいても、割高な「正規航空券(ノーマル航空券)」を選択肢に含む人はいないはずです。「正規航空券(ノーマル航空券)」の次に高いとされる「ペックス(PEX)航空券」でも、最近はエイペックスの早期割引だと格安航空券並みの安価なものがあるので、選択肢に残す人は多いでしょう。
ここで、選択肢は大きく、レガシー・キャリア(ペックス、格安航空券)かLCCか? と絞られてきます。単純に安さならLCCを選びたいところです。でも、そう単純ではありません。
行き先によっての購入方法
日本発着のLCCは国内およびアジア近隣諸国やオセアニアといった中距離のフライトが可能なエリアにしか路線がありません。したがって、欧米など日本から遠く離れた国や都市へできるだけ安く行くなら、レガシーキャリアの格安航空券がベストです。反対に、国内および近隣諸国への安価な移動を求めるならLCCがその強みを発揮するでしょう。
旅のスタイルによる購入方法
★気ままな滞在型はOPENチケットで
海外旅行では「滞在型」か、いろんな場所をめぐる「周遊型」の2つのスタイルに大きく分類されます。例えばロサンゼルスだけ、またはロサンゼルスを拠点に近隣都市を訪問する滞在型の場合、往復の格安航空券を選ぶことになります。これが日本発着のLCC路線で結ばれている都市になれば、安さ重視の人ならLCCも視野に入ってきます。ただし、入国審査で帰国便のチケット提示を求められるケースが多いので、片道航空券での入国はトラブルになりやすいことも頭に入れておきたいものです。また、その都市に好きなだけ滞在し、帰国したくなったら日本へ飛ぶ・・・という気ままなスタイルならOPENチケットを選ぶのがベターでしょう。
★周遊型なら「オープンジョー」をかしこく利用
ヨーロッパ諸国を一度の旅行でできるだけ多く訪問する「周遊型」の場合は、格安航空券が利用されるケースが多いです。そのなかでも「オープンジョー」という方法がよく用いられます。
例をあげてみましょう。東京からパリに飛び、ここからヨーロッパ旅行を始め、ヨーロッパ諸国をいくつもめぐってヘルシンキから帰国するとします。往路の到着地(パリ)と復路の出発地(ヘルシンキ)が異なっています。これをオープンジョーといいます。
オープンジョーという英語を直訳すると「開いたあご」となります。東京からパリ、そしてヘルシンキから東京の航路を見てみると、たしかに開いたあごのように見えます。オープンジョーとは、航路がそのような形になることから名付けられたのです。
単純に東京~パリを往復する航空券のほうが、ヘルシンキを入れたオープンジョーよりも価格は安くなることが多いです。でも、パリだけでなく
ロンドンやアムステルダム、ストックホルムなどさまざまな都市を周遊したい場合、ヘルシンキから再びパリに戻るときに出費がかさみます。
そうした労力やコストを考えれば、ヘルシンキから帰国できるオープンジョーは決して高くない方法と言えます。このように往路の到着地(パリ)からどんどん遠ざかるスタイルの旅には、オープンジョーという購入方法が賢明と言えます。
★一都市追加には「ストップオーバー」
滞在型でも周遊型でも、さらにもう一都市を往路か復路に追加することもできます。これを「ストップオーバー」といいます。日本語にすれば「途中降機」となります。
目的地の途中、または復路に立ち寄った空港(都市)に24時間以上滞在することができる航空券の買い方です。
ストップオーバーの航空券はオプション扱いになっているケースが多く、代金が追加でかかる場合があります。ストップオーバーを利用すると香港でいったん中国へ入国となりますので行く国によってはビザなどの用意を忘れないようにしてください。コンパクトに途中に立ち寄った都市を楽しむには、ちょうどいい方法です。
旅の目的による購入方法
よく、「レガシー・キャリアかLCCか?」といった二者択一で、「かしこい航空券の購入方法」が説明されることも多いのですが、じつはあまり意味がありません。というのも、航空券を選ぶ目的は人それぞれで、その目的や指向によって購入方法も大きく変わってくるからです。
たとえば旅行目的が観光かビジネスか、で同じ人でも航空券の選び方はずいぶんと変わってきます。ビジネスは時間優先そしてリスク回避が求められます。ということで、大事な会議への出席や出張では、レガシー・キャリアのノーマル航空券やOPENチケットを選ぶこととなります。国内外での出張先で不慮の事態に遭遇したことも想定しておくなら、フライト変更が可能なレガシー・キャリアを優先するでしょう。いっぽう、会社員ではない自営業の人が自費で出張する場合だと、経費軽減のためペックスや格安航空券あるいはLCCを選択するケースが多いはずです。
観光でも、その人の考え方によって選ぶ航空券は変わります。「現地で思いっきり楽しむため、移動費は節約する」タイプはLCC優先で購入を考えるでしょう。いっぽうで、「レガシー・キャリアの機内サービスを味わうのも旅の楽しみのひとつ」と考える人はレガシー・キャリアを迷わず選びます。また、別項で説明するマイレージはレガシー・キャリアでなければ貯められないので、こちらを積極的に選ぶ、という人もいます。
つまり、旅の目的によってその人にとっての最善の航空券は変わるものなのです。
航空券の種類ごとの購入方法まとめ
航空会社 | 航空券種類 | 購入場所 |
---|---|---|
レガシーキャリア | 正規運賃航空券(ノーマル航空券) | 航空会社・旅行会社 |
正規割引運賃航空券(ペックス航空券) | 航空会社・旅行会社 | |
格安航空券 | 旅行会社 | |
LCC | 正規運賃航空券 | 航空会社(原則ウェブサイトのみ) |
用語のまとめ
OPENチケット(オープン) | 期間内であれば、出発後に帰国日の変更が可能なチケット |
---|---|
オープンジョー | 到着地と現地出発地が異なり、都市間の移動の航空券が付いていない ルートのこと |
ストップオーバー(途中降機) | 目的地の途中、または帰りに立ち寄った空港(都市)において24時間以上滞在すること |