航空券の種類
航空券(エアチケット)の種類の違いをご存知ですか?
ひとくちに「航空券」といっても、その種類は多岐にわたっていることをご存知でしょうか?購入した航空券の種類によっては、価格・有効時期や変更、キャンセルなどの可否・座席指定ができるかできないか等、その内容にも大きな違いが生じてきます。ここでは、航空券の種類と内容について見ていきましょう。
1 正規航空券(ノーマル航空券)
有効期限は1年間。利用する航空会社は自由。予約便や経路だけでなく、航空会社の変更も無料ででき、キャンセル時の払い戻しも可能です。
また、繁忙期・閑散期といったシーズンによって料金が変わることもありませんから、どの都市のどの代理店で購入しても同一料金です。
等級はファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスとすべて購入可能。後述の種類に比べると、もっとも高額な航空券と言えますが、制約がほとんどなくリスクも低いのが大きなメリットです。
2 ペックス(PEX)航空券
航空会社がそれぞれ独自に設定した「正規割引運賃」のことを、ペックス(PEX)航空券といいます。エコノミークラス限定で、予約や経路の変更はできないなど、先述の正規運航(ノーマル)航空券に比べると制約が多いのですが、そのぶん割安になっているのが利点です。
ペックス航空券には「ゾーンペックス(ZONE PEX)」と「エイペックス(APEX ※アペックスとも呼びます)」があります。ゾーンペックス航空券のなかでも、予約期限・購入期限を設定し、事前購入型としてさらに値段を押さえたのがエイペックスとなります。つまり、ゾーンペックスは出発当日でも予約や購入が可能ですが、エイペックスは航空会社が指定する期限までに予約や購入をしなければなりません。自由度という点ではゾーンペックスのほうが高いのですが、その分価格は少々割高となっています。
こうしたペックス航空券ですが、国内線航空券では日本航空の「先得」、全日空の「旅割」などが知られており航空各社によってネーミングが異なります。また、「予約後3日以内に購入」等、券種により購入期限が設定されています。(2016年3月現在)
3 格安航空券
航空券の種類の中で、「もっとも耳慣れた、身近な航空券」という人が多いでしょう。 他の航空券の種類に比べると価格が安いことから、非常に人気が高くなっています。どうしてそんなに安いのでしょう?
飛行機の定期便は空席があっても運航されますので、空席率が高いと赤字になってしまいます。そのため多くの空席を抱えたまま運航すると、当然ながら赤字になります。そこで航空会社は、自社では売りさばけない航空券を「団体割引用」として大量に旅行会社におろします。これを旅行会社は「格安航空券」として個人用にバラして販売しているのです。
格安航空券は、出発時はもちろん帰国日時や便を確定した往復航空券がほとんどですが、有効期限が長いもの、帰国便が変更可能なもの、そして片道航空券などその種類もバラエティに富んでいます。
そしてエコノミークラスだけでなく、ビジネスクラスの格安航空券も購入ができます。「なるべく安く旅したい、移動したい」という人にはありがたい航空券ですが、元来が「売れ残りをなくしたい対策」用ということもあり、制限が多い種類の航空券ということもあわせて知っておきましょう。
- 旅行会社でしか購入できない。
- 価格や販売方法、条件・制約などの内容が旅行会社によって大きく異なる。
- 基本的に空席がある便は安くなり、空席が少ない便は高くなるため閑散期にはかなり安いものが出回ることもある。反面、繁忙期は割高になり、取りづらくなることがある。
- キャンセル(取り消し)には旅行会社が決めた所定の手数料(キャンセル料)が発生する。
- ペックス航空券はどこで申し込んでも空席は同じであるが、格安航空券は旅行会社により空席が異なることがある。
ここまで航空券には、「ノーマル」「ペックス」「格安航空券」と大まかに3つの種類が存在することがおわかりいただけましたでしょうか?
しかしこの3つは「レガシー・キャリア」とも呼ばれる既存の航空会社(大半は国際空運送協会=IATAに加盟しています)における航空券の種類で、実はもうひとつ航空券の種類があります。それがLCC航空券です。この「第4の航空券」について詳しく見てみましょう。
「第4の航空券」それがLCCのチケット
4 LCC正規航空券
ここ数年で、非常によく耳にするようになった「LCC」。これはローコスト・キャリア、簡単に言えば格安航空会社のことです。
徹底したコスト削減によって、またIATAに加盟しないことで、レガシー・キャリアの格安航空券に比べても、かなり安価な運賃を提供しています。また、レガシー・キャリアの航空券が「往復」をベースにしているのに対して、LCCは「片道」をベースとしています。ただし、LCCにはレガシー・キャリアのような長時間フライトを必要とする路線は少なく、比較的短い距離の路線が多いです。
安さが最大の武器とも言えるLCCですが、キャンセルや変更が発生した場合の手数料は、かなり高額になることを忘れてはいけません。また、購入した時点で払い戻し不可、つまり「キャンセル料100パーセント」という航空会社もあり、ノーマル航空券のような自由度の高さは望めません。
さて、格安航空券やLCCの説明の中で「往復航空券」「片道航空券」という言葉が出てきました。これは文字通り、出発地と目的地を往復することができるのが「往復航空券」、出発地から目的地まで片道分しかないのが「片道航空券」となっています。
往復航空券には3種類あるので、以下にまとめてみました。
種類 | 特色・解説 |
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OPENチケット(オープン) |
出発後に帰国日の変更が可能たとえば...東京からニューヨークへのOPENチケットを購入 ↓ ニューヨークに到着後、当初予定より長期滞在の必要 ↓ 東京への帰国便の変更が可能 そもそも、ニューヨークに発つ前に日本で帰国日を確定しておく必要もありません。これがOPENチケットの利点です。有効期限もあり、たとえば短期なら10日OPENもあれば、1年OPENという長期対応の航空券もあります。 |
FIXチケット(フィックス) |
出発後の変更不可出発前に利用する全便の予約を確定し、出発後には帰国日の変更が出来ない航空券。格安航空券の往復航空券は、ほとんどこれに当たります。また、FIXチケットには14FIX(14日滞在可)、60FIX(60日滞在可)などがあり、出発日の翌日から1日、2日とカウントが始まります。 運賃は滞在日数の長さに比例して高くなりますが、そうではないケースもあります。 |
FIX/OPENチケット(フィックスオープン) |
復路の予約が必要だが日付変更が可能OPENと異なる点は、①復路便の予約が事前に必要②現地にて日付の変更が出来ますが手数料がかかります。航空会社によって、変更に際する変更代金、規定などが違ってきますので、購入前の確認が必要です。 |